(12/9 19:00Kick Off フェンスティエレ・スタジアム)
SCM SSS
0 - 2
前半 0-0
後半 0-2
得点者
71分 9 千鳥(SSS)
86分 9 千鳥(SSS)
警告
なし
WOM
千鳥(SSS)
・開始すぐの悲劇が尾を引いたか敵味方とも動きが重くなっていた中、途中出場で「KY」な二点を挙げ、SSSの対SCM初勝利に貢献した。
・SSSはSCMのDF陣を封殺すべく4人をマークに割き、ハードな当たりを繰り返したが開始5分、並木が野咲を倒し、これが全治二ヶ月を要する大怪我となる。開始すぐのこの事態はお互いの選手の心理面に影響を落としたか、前半SCMが放ったシュートはわずかに1本で、SSSの放った5本のシュートはいずれも枠外という低調ぶりで前半折り返し。後半にはSSS松岡、弥生もタックルを受けて負傷と、ノーカードながら微妙に荒れた展開。得点が動いたのは後半26分、松岡に代えて投入された千鳥が春日のスルーに反応、DFを抜き去ってシュートを決めSSS先制。この後SCMは水無月を下げて一文字を投入、攻勢に出るが終了間際の後半41分にはまたも千鳥が遠藤のスルーに抜け出してゴール、試合を決めた。
SCMは敗れたが、これまでのペースで考えれば残り3試合で勝ち点5はそう難しいミッションではないように見える。ただ、評価点ランキングDF部門での上位常連であり、また出場時間も多い野咲を欠いての残り3試合をどう乗り切るかは意外に難しいところかもしれない。野咲に及ばないにしても江藤、天野でその穴をどこまで埋められるかが今後の展開を左右するだろう。
SSSはアグレッシブなディフェンスをその売りにしているが、アグレッシブとラフプレーを履き違えている節があり、それが今度の悲劇を引き起こしたのではないか。前節もクリーンなプレーに徹するHANに対しファウルで止めるプレーを繰り返しており、「選手たちの技術が低いからやむをえない」といったことを言い訳にせず、紳士的なプレーをしてもらいたいものだ。
(拾)
・首位SCMを追撃するチーム同士の対戦、どう転んでも笑うのはSCMのみ、という気もするが…。
FCHは前節EWIに差し切られたが未だ二位をキープ。今節は千鳥、マオをベンチ外で休養させ熱姫、陽ノ下に組ませるツートップでTLSゴールを目指す。八重、陽ノ下といったあたりはセカンドステージで出番に恵まれていなかったこともあってこの辺で存在を焼き付けておきたい。
TLSは大敗した後何とか持ち直したか?その真価を問われる一戦でもある。好調の風間は先発、彼女のコンディションがTLS勝利のカギを握るといって過言ではないだろう。いつもの陣形から微妙に入れ替え、復帰した牧原はベンチスタートの模様。牧原の復帰なるか、も話題の一つだろう。
・WBL×SKU
・最下位争いとなるカード。
WBLは鞠川の高さを生かしながらその周りを衛星の羽柴が巡るという形。失点は少ないだけに、堅守をベースに進めて相手の自滅や焦りを誘い、すばやい攻守の切り替えからゴールを狙いたい。WBLは確かに今季低迷してはいるが、だからといって過去二年圧倒的な強さを誇り、一つの時代を築いた事実が消えるわけではない。選手はそのことを忘れず誇りを持って戦って欲しい。
SKUは終了間際の失点で勝ち点を逃したが、ひところの大量失点からは立ち直った印象。順位は未だ最下位だが、二位以下の勝ち点差が詰まっているだけに連勝できれば充分上の順位を目指せる。チーム創設以来の最下位脱出なるか?
(拾)
・もはや死角なしの感さえ漂わせるSCMがホームにSSSを迎える一戦。
SCMはここまでの戦績ももちろんだが、この先の4試合のうちFCHはWカップ3位決定戦の三日前、さらにEWIは決勝の三日前に対戦というこれ以上ない日程のアドバンテージ。両チームともベストメンバーよりはやや落としたメンバーでSCMに立ち向かうであろうことは推測できることであり、またSSSとは過去に公式戦での敗戦なしという「お得意様」。唯一TLSにやや苦戦しているがそれでも4試合で勝ち点6を挙げることは困難ではないだろう。今回も「お得意様」相手で特に意識する理由もなくいつもの形。
SSSはここまで何をやっても勝てないというとにかく苦手な相手。奇策の2バック、オーソドックスに4バックでも駄目とあって3バックに振って来た。毛一筋の可能性を、となれば「何か」を持つ寿起用しかないだろう。リーグに少しでも波乱を起こしたいところだが。
・HAN×EWI
・Wカップ決勝のプレマッチともなる一戦、出方を見るか全力か?
HANは陣形そのものは変わっていないがプレッシングを導入、主力の一部はターンオーバー。プレッシングは中盤でのボール奪取を上げるが、代わりに選手間の距離を狭めてしまうためワイドな攻撃が出来なくなるのが諸刃の剣。裏を狙う早乙女のスピードと、そこに和泉が的確なタイミングでボールを展開出来るかがカギとなる。
EWIは4バックに2トップ、快速コンビ陽ノ下、神戸をどちらも使わないのは珍しい組み合わせ。起点になれる井上を左、運動量もあって守れる森下を右にそれぞれ使い、プレスをかけない代わりにワイドに攻める形を模索する。ただ、最後のフィニッシュの部分はやはり藤堂、となるのはこれまでの戦績から鑑みても致し方ないところ。
(拾)
(12/2 14:00Kick Off 綾瀬中野スタジアム)
SKU TLS
0 - 1
前半 0-0
後半 0-1
得点者
87分 11 風間←24 安藤(TLS)
警告
14分 22 志村(TLS)
WOM
風間(TLS)
・終了間際の決勝点。
・九州地方一帯を襲った雨の中の試合、前半はアウェーTLSがパスを回す中、時折SKUが鋭くドリブル突破でチャンスを作ろうとするがお互いゴール前での決定機はなくスコアは動かず。後半になって押し合う展開になり、ゴール前の局面は増えるがやはり得点はないまま時間は流れ、スコアレスドローも見えた87分。風間のミドルが決まってこれが決勝点。第10節はすべての試合が残り10分を切って決着という痺れる展開になった。
SKUは今節に関していうとよく守れてはいたが、攻撃の糸口が掴めなかった印象。守備から入る相手を崩す、というのが今後の課題となるだろう。
TLSは勝って3位へ躍進。カップ戦という枷がなく、また首位SCMとも相性がいいこともあってステージ後半の台風の目となりそうだ。
(拾)
(12/2 14:00Kick Off ルーテシア・パーク)
WBL SCM
1 - 2
前半 0-0
後半 1-2
得点者
63分 12 上杉←15 朝日奈(WBL)
71分 12 一文字←9 桐屋(SCM)
82分 14 川崎(SCM)
WOM
川崎(SCM)
・終了間際に決勝点。逆転の立役者となった。
・前半からホームWBLが押す流れ。羽柴を中心にSCMゴールに襲い掛かり、多くの決定機を作るが最後の一線を越えられない。前半終了間際にはあわや、の場面もあったが本田の身を呈したクリアで逃れられ無得点で前半折り返し。後半もWBLは少ない手数をシュートに結びつけ、後半18分。朝日奈のスルーに上手く抜け出した上杉がGKと一対一、これを決めて嬉しい初ゴールでWBL先制。これまでの流れからすればWBLがそのまま押し切る流れだったが、守りに入る心理が働いたか。今季こういうところを見逃さないSCMが徐々にペースを掴みだす。後半26分にゴール前の混戦から一文字が決めて追いつき、残り10分を切った後半37分には一文字の突破は止められたがその零れを川崎がミドルレンジから捻じ込んで逆転に成功。首位の貫禄を見せて試合終了。
WBLは前半のうちに1点欲しかった。ただWカップに切り替えての敗戦ではあるのである意味想定内か。「動ける」選手を多く使ったこの日の陣形は得点に結びついていないものの前半での攻勢は見るべきものがあり、井上、藤崎に頼りがちの中盤の構成に一石を投じるものかもしれない。
SCMは今季の強さの理由を見ることとなった試合。残り20分で2点を取るという「横綱相撲」はおそらく昨季のWBLと今季のSCMにしか成し遂げられないだろう。願わくは昨季のWBLとの対戦を見たかった、というのは筆者だけだろうか。
(拾)
(12/2 14:00Kick Off 摘美浜スタジアム)
EWI FCH
2 - 1
前半 1-0
後半 1-1
得点者
30分 9 鬼澤←10 藤崎(EWI)
56分 11 千鳥←8 八重(FCH)
87分 9 鬼澤←15 マクグラス(EWI)
警告
29分 99 熱姫(FCH)
84分 8 八重(FCH)
WOM
鬼澤(EWI)
・ドゥッピエッタに決勝点とくれば文句のないところだろう。藤堂不在の穴をきっちり埋めた。
・お互い微妙に主力をスタメンから落としてきたが、先手を取ったのはホームEWI。30分にコーナーから鬼澤がヘッドで決めてEWIが先制する。中盤での押し合いが続き、双方ともゴール前での決定機があまり見られなかったが後半11分。FCHは八重のクロスを千鳥が押し込んで同点、試合を振り出しに戻す。試合は進んでドロー気配も濃厚となったが後半42分。出足よくDFからボールを奪った陽ノ下がマクグラス、さらに鬼澤と渡り、これを直接決める。これが決勝点となった。
EWIは藤堂を使わずここを勝てたのは大きい。勝ち点、勝数でFCHに並び、次はあと一つ上を目指したいがWカップもありここからの采配は難しいところ。
FCHは先のWカップ準決勝ではいいところのなかった千鳥がゴールを決めたが、勝ちには結びつかず足踏み。あと3分凌げれば、というところでDFラインの一時の迷いが敗戦に繋がってしまったのは今後の反省材料。
(拾)
(12/2 14:00Kick Off マグパイ・パーク)
SSS HAN
2 - 1
前半 1-1
後半 1-0
得点者
4分 15 松岡←20 春日(SSS)
32分 12 伊集院←36 和泉(HAN)
81分 16 早乙女(SSS)
警告
83分 2 一文字(HAN)
WOM
早乙女(SSS)
・途中出場ながらキレのある突破で決勝ゴール。雨中の死闘にケリをつけた。
・開始早々、SSSはHAN陣内に押し寄せPKのチャンスを得るが、松岡がこれを外す。SSSは嫌な雰囲気になったが二分後、沢渡が起点となって左を抜ける春日へ、そこから低いクロスを松岡が合わせてSSS先制。だがHANも32分、この日抜擢の和泉が左を抉ってクロス。伊集院がボレーで決め、HANは同点に追いついて前半終了。ワイドに構えるHANをSSS中盤が抑えきれないため、一度抜けられると長いドリブル突破を多く許してきたが、SSSは手数をかけないカウンターに徹しゴール前のチャンスを作る。ドローも見えた後半36分。新井から繋いだ早乙女がそのまま中央突破してミドルを決め、これが決勝点となった。
HANは和泉、西本による両サイドの仕掛けは上手くいっていたが、前半いい突破を見せていた西本の負傷退場は影を落としたか。ただ神条・高見を固定して使ってきた中に一つのオプションが成立する余地が見えたのは評価すべきだろう。
SSSは後半戦初勝利を収めたが、2分のPK失敗は問題。ファーストステージでは得点王だった松岡だが、やはり「真のエース」と呼ぶには早い。
(拾)
・WBLがターンオーバーでSKUに苦杯を舐めたSCMをホームに迎える一戦。
WBLも今節多く見られるターンオーバー、4バックを両側を上げた2バックの陣形。セカンドステージより加入の裏輪女子のメンバーがスタメンの多くを占めており、殆どのメンバーに出場経験が浅いこともあって苦戦は免れないか。最後方で仕切る八重のコーチングに大きな部分を依存しなければならなくなるかもしれない。
SCMはターンオーバー後とあっていつもの4-4-2、背後にFCHがひたひたと迫っているだけに連敗だけは避けておきたい。ただ中盤の底で主力、渡井の負傷欠場で里仲を起用するが、フォローする形になるであろう本田も未だ経験豊富とは言い難く一抹の不安は拭えないところ。
・SKU×TLS
・新規参入ダービーはここまでTLSがリードしてきたが、前節5点取られて負けたTLSと首位SCMを降したSKU、勢い的には明らか。これを結果に反映させられるかどうか。
SKUは4-4-2、この形に代えて結果が出だしており、オーソドックスな陣形のも意味があるということか。麻生、和泉(恭)のCBコンビは読みの麻生と当たりの和泉で役割を分担する。サイドから新堂の睨みを利かせ、前節の二失点を減らしたいところ。攻撃は前節2ゴールの来須に期待が掛かる。
TLSは前節先制しながらズルズルと失点を重ねてしまったが、牧原の復帰は朗報。今回とりあえずベンチスタートだが、ここぞの局面での起用はあるはずで、少なくともそこまでをイーブンで迎えたい。広瀬、志村あたりは出場が浅いこともあってここらでアピールしておきたいところだろう。
(拾)
・セカンドステージ後半に入って勝ちなしのSSSと前節5点を奪って大勝のHANが相見える一戦。
SSSは使用頻度の高い2バックで、トップ下沢渡の配球に賭ける形。松岡、春日を組ませるツートップは初の試みで冒険の度合いが高い。二試合続けてのOGと不名誉な記録も継続中で、その更新といった試合以外の部分も微妙に気になる。キャプテン秋穂の後半戦初スタメンのみが朗報か。
HANはこのチームには珍しい4バックで神条、高見をスタメンから落とすのはウインターカップを意識した形か。攻撃の方はトップに起用する和泉(恭)のサイドからの仕掛けを基本線とするパターンとなる。ただ慣れていない4バックではあるので、守備陣の連携にはやや難があるのは否定できないところ。仕掛けるのとは逆サイドの右スペースを生かせるかどうかがおそらくこの試合を分けるだろう。
・EWI×FCH
・先のウインターカップで死闘を演じたチームの同カード。お互いそのときの記憶は未だ鮮明なはずで、その意識が試合にどんな影響を落とすのか、それをどうコントロールするかが課題となる。
EWIはここでターンオーバー。バックラインにシャルロット・ポアロ、咲野という組み合わせで、どちらも初スタメンとあっては不安を感じるのは致し方ないところか。となると攻撃陣の奮起がいつも以上に求められるところで、鬼澤に掛かる期待は大きい。
FCHはWカップ同様に千鳥、熱姫を組ませるツートップ。カップ戦では結果を出せなかっただけに汚名返上といきたいところだが、攻撃の大部分を牽引してきたマオ、藤崎の不在は気になる。加えて、波多野・来須のバックラインは出場が少ないこともあり、連携を含めて不安は残るため、桂木・水島も重心を後ろに置かざるを得ない展開になるのは否めないところで、お互いに攻め切れない展開になるのではないか。
(拾)
(11/28 19:00Kick Off トラッド・ブリック)
EWI FCH
4 - 4
PK 4-3
前半 1-1
後半 2-2
延前 0-0
延後 1-1
PK 4-3
得点者
12分 10 藤崎←18マオ(FCH)
13分 3 橘←7 陽ノ下(EWI)
49分 10 藤崎(FCH)
57分 19 藤堂←17 井上(EWI)
61分 19 藤堂←24 難波(EWI)
73分 21 鬼澤(FCH)
109分 19 藤堂←10 藤崎(EWI)
113分 9 藤堂(FCH)
警告
97分 19 藤堂(EWI)
119分 9 藤堂(FCH)
WOM
藤堂(EWI)
・この大一番でハットトリック、チームを決勝進出へ導いた。
・まず12分。マオのフライスルーに上手く抜け出した藤崎がこの頃一部で流行気味のループシュート、これが決まってFCHが先手を取ったが1分後にEWIは橘の攻め上がりからチャンスを作り、藤崎→陽ノ下と渡った後そのままエリア内に切れ込んだ橘がこれを決め、EWI同点に。打ち合いの予感を漂わせたが前半は動きがないまま折り返す。ペース的にはホームEWIが仕掛け、FCHがそれを受ける展開だったが後半早々49分、エリア内で受けたFCH藤崎がキックフェイントでDFを置き去ってシュート、個人技で一度は勝ち越しに成功する。だが57分、ロングボールの競り合いからの零れを井上がヘッドで再度前線に送り、それをEWI藤堂が決めてまたも同点、シーソーゲームの様相を見せる。直後にEWIは難波を投入、これが4分後に結実する。61分、その難波が右を抉って折り返し、これを藤堂が頭から飛び込んでこの試合で初めてEWIは勝ち越しに成功した。展開的に、またホームであることを考えてもEWI勝利濃厚、と見えたが10分後にもう一波乱。セットプレーの零れを押し込んだのはFCH鬼澤、またも振り出しに戻った。得点はこの後推移しないまま90分終了、延長戦へ移行。やはりEWI押し気味のペースだったが前半は得点の動きがないまま後半へ、後半開始早々109分。スローインを受けた藤崎がスルーパス、これを藤堂が沈めてEWIが二度目の勝ち越しを果たすが、4分後にはFCH藤堂がDFから奪取してそのまま決めて負い付きFCHも譲らず、PK戦へ。ここで二階堂が一本、西村が二本止め、西村はある意味今日最大の働きをしEWIが決勝進出を果たした。
EWIは試合の主導権を握る展開ながら先制点を許し、たびたび突き放されたのはやはり守備陣の課題。両翼が神戸、陽ノ下ではやはり日向にかかる守備上の負担は大きい。攻撃は藤堂頼みの印象は拭えないところで、こうなると藤堂をこの先どう生かすか、を焦点にするしかないだろう。
FCHは緊張があったか、エース千鳥の不発が響いた。単に得点を挙げられなかっただけでなく、先発ツートップが二人合わせてシュート二本とあって前半と少しで総替えせざるを得ず、中盤をフレッシュにする交代の選択肢を減らした結果中盤4人は120分フル出場となり、3決でのパフォーマンスに不安を残す結果となってしまった。
(拾)