久しぶりになってしまったGAZETTAだが、今回から数回かけて色々な数字で07シーズンを振り返ってみたい。第一回の今回はGKにまつわるいろいろな数値を見てみる。数値の算出については某スポーツ紙からそのまま拝借した(笑)。セカンドステージから導入されたセーブ数は評価の指標として面白い数値であるのだが、ファーストステージのものがないためシーズン通しての評価がし辛い、という面から今回は割愛している。
数値は記念杯ファースト・セカンド両ステージのものを対象としており、桜花杯・ウインターカップは加えていない。
・防御率=(失点×90)÷出場時間
一試合平均で何点取られたか、という指標。もっとも失点の責任すべてがGKかという問題は残るのだが、大きな部分であるというのは免れない事実だろう。
チーム |
氏名 |
防御率 |
試合数 |
SCM |
御田 万理 |
0.67 |
27 |
TLS |
鞠川 奈津絵 |
0.67 |
9 |
SSS |
鞠川 奈津絵 |
0.78 |
27 |
FCH |
二階堂 望 |
0.82 |
28 |
WBL |
吉野 ゆかり |
0.91 |
11 |
HAN |
橘 恵美 |
1.00 |
28 |
EWI |
野咲 すみれ |
1.00 |
14 |
防御率1.00以下、要は1試合に1点以下で抑えたキーパー達。
ファーストステージで「ムサナチオ」「ヒビナチオ」で知られた御田、橘はどちらもセカンドステージでやや数字を落とし、その下げ幅の差がそのまま数字に反映した。それでも一位であることを考えると、ファーストステージのSCMの失点数は驚異的。こうして数字だけで見るとTLS鞠川はもう少し試合に出ていればまた違ったシーズンになったかも、という気はしないでもない。SSS鞠川、FCH二階堂はファースト、セカンドともほぼ同じ失点数で安定したパフォーマンスを見せた。セカンド頭からWBLゴールマウスを守った吉野は今シーズンの大きな発見とも言え、代表招集を果たしている。あとは経験と安定感が課題か。EWI野咲はセカンドからスタメンを西村に譲ったが、西村の数字は思ったほど伸びない皮肉な結果となってしまった。
・シュート阻止率=(被シュート数-失点)÷被シュート数
防御率があくまで失点と試合数であることを鑑み、もう少し踏み込んだ数値で。打たれたシュートを止める確率ということである。「シュート阻止率」というからには本来オウンゴールは省くべきなのだが、今回は割愛している。
チーム |
氏名 |
阻止率 |
被S数 |
失点 |
TLS |
鞠川 奈津江 |
94.1% |
102 |
6 |
SCM |
御田 万理 |
93.2% |
265 |
18 |
SKU |
相沢 ちとせ |
92.5% |
40 |
3 |
WBL |
吉野 ゆかり |
91.9% |
123 |
10 |
FCH |
二階堂 望 |
91.5% |
271 |
23 |
90%以上の選手は5人いるが、TLS鞠川は9試合、SKU相沢は2試合、WBL吉野は11試合出場であることは明記しておく。御田、二階堂はここでも上位にランクイン。
・枠内シュート阻止率=(被枠内シュート数-失点)÷被枠内シュート数
シュート阻止率があるのなら、ということで被枠内シュートの阻止率も出してみる。得点になるシュートは必ず枠に行っているはずだから、この数値のほうが実情に近いかもしれない。
チーム |
氏名 |
枠内阻止率 |
被枠内S |
失点 |
S阻止率 |
TLS |
鞠川 奈津絵 |
87.8% |
49 |
6 |
94.1% |
SKU |
相沢 ちとせ |
83.3% |
18 |
3 |
92.5% |
SCM |
御田 万里 |
83.2% |
107 |
18 |
93.2% |
WBL |
吉野 ゆかり |
82.8% |
58 |
10 |
91.9% |
FCH |
二階堂 望 |
79.8% |
114 |
23 |
91.5% |
当然といえば当然なのだが、やはりシュート阻止率と似たメンバー。ただ、S阻止率ではあまり差がなかった一位鞠川とそれより下のメンツの数値にやや差が開いており、それはTLSというチームが枠内シュートを多く打たれていたことの証左ともいえる。
・完封率=完封試合数÷出場試合数
シャットアウトといえばGKの華、ということでこれも出してみる。完封する確率の高さ。
チーム |
氏名 |
完封率 |
完封数 |
試合数 |
TLS |
鞠川 奈津江 |
55.6% |
5 |
9 |
SCM |
御田 万里 |
55.6% |
15 |
27 |
SKU |
相沢 ちとせ |
50.0% |
1 |
2 |
FCH |
二階堂 望 |
50.0% |
14 |
28 |
SSS |
鞠川 奈津江 |
48.1% |
13 |
27 |
御田、二階堂、SSS鞠川はそのまま完封数のトップ3。完封が10以上のGKはこの3人に加えてHAN橘の4人で、4人の出場試合数は二階堂、橘が28試合で御田、鞠川は27試合。キーパーとしての能力はもちろんだが、完封数を上げるにはまずスタメンとして起用されなければならず、チーム内での信頼の高さも問われることはいうまでもない。
あえてランク付けをしてみるなら、ほとんどの項目に顔を出しているSCM御田、FCH二階堂を筆頭に以下HAN橘、TLS鞠川、WBL吉野といった並びか。TLS鞠川、WBL吉野についてはもう少し試合数を重ねての数値を見てみたい。シーズンを制覇し失点も少ないSSSのGK鞠川だが、打たれたシュートが少なすぎるという面があり、正直評価し難い。
ちなみに一試合当たりの被シュート数・枠内シュート数で見ると5位以内にSKUのGK本田、相沢、速水は3人とも顔を出しており、フィールドプレーヤーのフィルターが機能した状態ならばどうだったか、という部分は気になった。
(拾)