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Posted by - 2024.12.04,Wed
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Posted by Akira Hirota - 2008.07.06,Sun
さて攻撃的、守備的なベストイレブンをそれぞれ選定したところで、この攻撃率と防御率に拠るベストイレブンを考えてみる。
まず段階としては出場時間575分(全フィールドプレーヤー平均出場時間)で足切りし、防御率・攻撃率の両方が平均値以上の選手を選び出す。この段階で27人に絞られており、このうち上位20人は以下の通り。

Team

Pos

Name

攻撃率

防御率

攻撃率順

防御率順

順位計

WBL

ST

羽柴

2.10

0.47

1

4

5

WBL

SH

陽ノ下

1.53

0.28

5

1

6

WBL

OH

井上

1.89

0.50

2

7

9

SSS

CF

千鳥

1.06

0.47

12

5

17

EWI

WF

桐屋

1.15

0.51

11

9

20

HAN

OH

主人

0.95

0.41

20

2

22

HAN

ST

神条

1.16

0.53

10

12

22

HAN

CB

藤堂

1.02

0.51

16

8

24

HAN

ST

高見

1.03

0.52

14

10

24

SCM

DH

里仲

1.04

0.52

13

11

24

HAN

DH

清川

1.34

0.67

7

19

26

WBL

CB

佐野倉

1.66

0.70

4

22

26

SSS

SW

アレックス

0.90

0.50

21

6

27

WBL

CF

後藤

1.82

0.73

3

25

28

SSS

SB

加藤

0.82

0.41

26

3

29

HAN

CF

伊集院

1.01

0.55

17

13

30

HAN

CB

水島

1.19

0.70

9

21

30

HAN

CB

八重

1.00

0.58

18

14

32

FCH

DH

白鳥

1.37

0.74

6

26

32

HAN

DH

マクグラス

1.03

0.65

15

18

33




さらに攻撃率での順位と防御率での順位をそれぞれ出して加え、それが少ない選手ほどより攻守に「効いていた」と考えるわけだ。得点数やアシスト数を勘案に入れると決まりきった人選にしかならないため、どうにか目先を変えてみようという試みである。
で、並べてみるとこう。


                                 桐屋(EWI)
                       羽柴

                            井上(WBL)
                   主人                  陽ノ下(WBL)

                         里仲      清川(HAN)

                   藤堂(HAN)  佐野倉  アレックス

                             橘(HAN)


桐屋のところには千鳥のような気がしないでもないが、攻撃的・守備的どちらのベストイレブンにも選ばれていない桐屋が来た方が面白いので選出した(笑)。井上、羽柴、陽ノ下あたりは今までの流れからは妥当ながら、思わぬ健闘を見せたのは里仲、清川のボランチコンビ。里仲は2得点が、清川は最後2節での3アシストが大きく攻撃率を引き上げた。WBLレギュラー陣はみな同じくらいの出場試合数ながら、後藤がここに割り込めないのは防御率による。なお守備的ベストイレブンを席巻したSSS守備陣は軒並み攻撃率で足切りされた。



あとGAZETTA選定ファーストステージMVP

・後藤(WBL)
この活躍で選ばない方がどうかしている。とにかく、後藤一人の得点が残り7チームの得点を上回っているようでは。

GAZETTA選定MIP

・速水(SKU)
確かに失点は多い。だが、もし彼女の前にHANのDF陣がいたら?SSSの中盤がいたら?…打たれるシュートが減ればどれだけの失点になるのか。興味は尽きない。

(拾)
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Posted by Akira Hirota - 2008.07.06,Sun
で、今回は防御率で見るフィールドプレーヤー編、「守備的」ベストイレブン。



                       千鳥(SSS)
              羽柴
       
                   井上(WBL)

         主人(HAN)            陽ノ下(WBL)

               加藤(SSS)  秋穂


           アレックス  小野寺   並木


失点の少ないSSSの選手が多くなったが、失点数が同じHANの選手が少ないのは興味深い。WBLの陽ノ下、井上、羽柴は攻撃的なベストイレブンにも顔を出している。ちなみに防御率上位20傑は以下の通り。出場時間は平均時間575分で足切り。

Team

Pos

Name

Time

Match

D.RATE

WBL

MF

陽ノ下

647

10

0.28

HAN

MF

主人

666

12

0.41

SSS

DF

SB

加藤

873

10

0.41

SSS

DF

CB

小野寺

870

11

0.41

WBL

FW

ST

羽柴

772

12

0.47

SSS

FW

CF

千鳥

761

11

0.47

SSS

DF

SB

並木

922

11

0.49

SSS

DF

SW

アレックス

900

10

0.50

WBL

MF

井上

715

10

0.50

SSS

MF

秋穂

712

10

0.51

HAN

DF

CB

藤堂

1057

12

0.51

EWI

FW

WF

桐屋

702

10

0.51

HAN

FW

ST

高見

698

10

0.52

SCM

MF

里仲

689

10

0.52

HAN

FW

ST

神条

857

12

0.53

SCM

FW

CF

一文字

674

10

0.53

HAN

FW

CF

伊集院レ

982

13

0.55

HAN

DF

CB

八重

1080

12

0.58

HAN

MF

鞠川

900

10

0.60

SSS

DF

SW

山本

744

9

0.60




(拾)

Posted by Akira Hirota - 2008.07.06,Sun
前回はGKを選定したベストイレブンだが、今回はフィールドプレーヤーを見てみよう。そこで、いつも問題になるのが何を指標に持ってくるかだ。評価点は確かに分かりやすいのだが、個人的にどうもウイイレの評価点というのは信用できない(笑)。やはりドゥッピエッタの選手の評価点が5.5だったりすることがあるとどうも、という気はしてくる。
そこで今回、昨年末に某スポーツ紙で用いていた「攻撃率」と「防御率」を用いてみる。防御率に関しては、既にGK関連でも用いているし、野球でも投手の評価に用いられることからよく知られている数値だろうとは思う。これをサッカー選手に援用した場合、「その選手がピッチに立っている状態での失点数」を集計し、それを90で除算して出場時間数を掛けることで「その選手が90分間ピッチにいた場合の平均失点」を算出する。要はその数値が少なければ少ないほど、多く守備に貢献していると考えることが出来る。
防御率がそれなら攻撃率はその裏返しで「その選手がピッチに立っている状態での得点数」から算出した「その選手が90分間ピッチにいた場合の平均得点」ということになる。これが高い選手はそれだけ多く得点に絡む状況があった、と推測できる。


で、まずは攻撃率で見た「攻撃的ベストイレブン」。


                        後藤
              羽柴

            井上(WBL)       鬼澤(FCH)

      森井(WBL)                陽ノ下(WBL)

                   千葉

   渡井(FCH)                      森下(WBL)
                  佐野倉


フィールドプレーヤーだけで並べている。やはり、というべきかWBL勢の独壇場となった。守備的なMFがいないためこういう形になるのは仕方のないところ。WBL森井はDF登録だが、今ステージDFとしての出場がないためMFとして選出。ちなみに攻撃率上位20人のランキング。

Team

Pos

Name

Time

Match

A.RATE

WBL

FW

ST

羽柴

772

12

2.10

WBL

MF

井上

715

10

1.89

FCH

DF

SB

渡井

622

10

1.88

WBL

DF

SB

森井

1012

12

1.87

WBL

FW

CF

後藤

991

12

1.82

WBL

DF

CB

佐野倉

1033

12

1.66

WBL

MF

千葉

816

11

1.65

WBL

MF

陽ノ下

647

10

1.53

WBL

DF

CB

森下

1080

12

1.50

FCH

MF

鬼澤麗

632

11

1.42

FCH

MF

白鳥

725

10

1.37

HAN

MF

清川

806

10

1.34

WBL

MF

藤崎

840

11

1.29

WBL

DF

CB

野崎

990

11

1.27

HAN

DF

CB

水島

904

11

1.19

HAN

FW

ST

神条

857

12

1.16

EWI

FW

WF

桐屋

702

10

1.15

FCH

DF

CB

波多野

633

8

1.14

SSS

MF

春日

795

12

1.13

FCH

FW

CF

千鳥

913

12

1.08



いろいろ考えたが、今回出場時間の足切りは「全フィールドプレーヤーの平均出場時間」である575分をその基準とした。
「攻撃率で」見たベストがあるなら、「防御率で」見るベストも、ってことでそれは次回。

(拾)
Posted by Akira Hirota - 2008.07.04,Fri

WBLの優勝で幕を閉じたファーストステージだが、ベストイレブンという形で選手たちの活躍を振り返ってみよう。ただ、このところ公式でもいろいろな指標を用いたベストイレブンの選定は盛んであり、正直独自な視点での選定は少々難しいかもしれない(笑)


・GK

いくつかの数値でランクを見てみる。

・シュート阻止率
(被シュート数-失点)÷被シュート数から求めるパーセンテージで、これが高いほど打たれたシュートを止める確率が高いことになる。

SCM 東  聡莉 95.7%
SSS 鞠川 奈津江 94.8%
WBL 八重 花桜梨 94.8%
HAN 橘  恵美 94.2%
SKU 速水 静香 92.5%


・枠内シュート阻止率
シュート阻止率を枠内シュートに限定した数値。当然だがシュート阻止率より低くなっている。

SCM 東  聡莉 85.7%
HAN 橘  恵美 85.7%
WBL 八重 花桜梨 85.2%
SSS 鞠川 奈津江 84.0%
SKU 速水 静香 84.0%


・防御率
(失点×90)÷出場時間で求めた、一試合あたりの失点数。

SSS 鞠川 奈津江 0.36
SCM 東  聡莉 0.40
HAN 橘  恵美 0.43
WBL 八重 花桜梨 0.57
EWI 西村 知奈 0.71


・完封数
シャットアウトはキーパーの華、ということで取り上げている。

HAN 橘  恵美 9
SSS 鞠川 奈津江 8
EWI 西村 知奈 8
FCH 二階堂 望 5
DMS 香坂 麻衣子 5


・完封率
(完封数÷出場試合数)×100で求めた、そのキーパーが完封する確率。

SSS 鞠川 奈津江 72.7%
HAN 橘  恵美 64.3%
SCM 東  聡莉 60.0%
EWI 西村 知奈 57.1%
WBL 八重 花桜梨 57.1%


・平均評価点
言わずと知れた、試合毎の評価点を一試合当たりに均したもの。

WBL 八重 花桜梨 5.857
DMS 香坂 麻衣子 5.850
SSS 山下志津香 5.833
HAN 橘  恵美 5.821
EWI 西村 知奈 5.821


・出場時間数

HAN 橘  恵美 1260
EWI 西村 知奈 1260
FCH 二階堂 望 1260
SKU 速水 静香 1260
SSS 鞠川 奈津江 990


・一試合平均セーブ数
GKセーブの一試合当たりの数字。

SKU 速水 静香 18.00
SCM 御田 万里 14.67
DMS 香坂 麻衣子 14.20
FCH 二階堂 望 13.86
WBL 八重 花桜梨 13.71



こういったところか。各種ランクのトップ5を挙げている。こうしてざっと見ると、WBL八重、HAN橘、SSS鞠川、SKU速水、SCM東といったあたりが各種ランクの上位に多く顔を出しており、この辺りに絞られるだろう。ただいずれも帯に短し襷に長し、の感は否めないところ。まずSCM東は出場時間が論外だし、SKU速水はセーブも多いが失点も多い。SSS鞠川は時間と失点のバランスはいいが守備機会が少なすぎる。WBL八重は数値自体悪くはないが出場時間に不満があるのと、彼女の責任ではないが、今季最大の攻撃力を誇ったWBL攻撃陣との対戦がない状態での数値であることが気にかかる。

そうやって考えていくと、HAN橘がもっとも穴が少なく、トータルに安定した結果を残しているといえるだろう。

(拾)
Posted by Akira Hirota - 2007.09.17,Mon
記念杯ファーストステージも終了し、各チームともセカンドステージへの準備に余念がない時期ではあるが、それゆえにこそファーストステージの課題を洗い出すという作業は必要になる。そこで今回からしばらく、当GAZETTAではチームごとにファーストステージでのスタッツや統計を参考にチームの傾向やカラーを再度見直してみることにする。なおスタッツの数値は基本的にTMFA Data Centerのものを参考にし、加えて独自の統計も使用していることをお伝えしておく。順位の下から順番に、やっと最後のSCM。


・スタッツで見ると不思議なチームだが、攻守ともにゴール前で強さを発揮

7勝5分け2敗、17得点5失点。一桁失点はSCMとHANの2チームのみであり、「ムサナチオ」の名を世に広めた。優勝できたのは確かにその堅実な守備もあるが、ファーストステージでは8チーム中6チームが1試合の平均失点が1点以下、つまりは一点取れば勝てる状態であり、裏を返せば平均して得点を挙げ続けられたからこそ、といえる。一度首位に立ってからはその座を明け渡すことなく優勝したのだが後半戦だけを見ると2勝4分け1敗と勝ちきれない状態であり、SSSとEWIの後半の快進撃(両チームとも後半7試合で4勝2分け1敗)と相まって優勝戦線に混乱をもたらしてしまった。
スタッツから攻撃面を見ると、正直なところ得点を挙げた理由を探すのに一苦労する数字が並ぶ。パスは上から4番目だがドリブルは下から3番目。ボールタッチもクロスも下から3番目で、ボールを前線に運ぶ手段が見えづらい。ただ、特筆すべきは決定力。シュート本数こそ2桁を割っているが、枠内率でみるとEWIに次ぐ二位、決定率・枠内決定率もSSSに次ぐ二位とゴール前での勝負に強さを見せている。
守備はシュートを打たせない守備だが、同様のSSS、EWIとは被決定率で雲泥の差があり、リーグトップ。堅守をベースに少ないチャンスを確実に決めるイメージ。得点のうち6点がDFラインを揺さぶり、崩して取った点であり、安易に長いボールを前線に入れる、という方法を取らず確実に繋いで崩すスタイルだ。


・ポゼッションと勝敗の関係

表1・SCM支配率と勝敗

支配率

総数

51~

5

3

1

1

50

3

2

1

0

~49

6

2

3

1


ここでは相手より支配率が上回った試合を「ポゼッション」、下回った試合を「カウンター」と定義していることをまず伝えておく。ちなみに50:50のときはどちらにも属さない「イーブン」としておく。
ポゼッション傾向で見ると、相手を上回るポゼッションを記録したのが14試合中5試合、下回ったのが6試合。傾向的にはややカウンターと見えるが、ポゼッションできた方が結果は良く、やはりポゼッションベース。ただ状況に関わらずコンスタントに勝てており、自分のスタイルに当てはめる、という戦い方でなく流動性、あるいは相手に応じる適応性が高いといえる。


・補強状況

橘の退団もあって積極的な補強に取り組んだ。WBLから獲得の日向、SSSから獲得の美咲でその穴を埋める形になると思われるが、橘の代役としては日向の方が本命か?他にも前線にWBL松浦、FCH川崎とスピード系のアタッカーを補強。チーム戦術的に使いどころがやや難しいが、オプションとして考えるとサイドアタッカーの存在は大きい。実績があるならなおさらだ。DFラインの主力にはファーストステージと大きな変化はなく、堅守は維持される模様。

(拾)
Posted by Akira Hirota - 2007.09.16,Sun
記念杯ファーストステージも終了し、各チームともセカンドステージへの準備に余念がない時期ではあるが、それゆえにこそファーストステージの課題を洗い出すという作業は必要になる。そこで今回からしばらく、当GAZETTAではチームごとにファーストステージでのスタッツや統計を参考にチームの傾向やカラーを再度見直してみることにする。なおスタッツの数値は基本的にTMFA Data Centerのものを参考にし、加えて独自の統計も使用していることをお伝えしておく。順位の下から順番に、今回はSSS。


・肉を斬らせて骨を断つ、といえば聞こえはいいが

7勝4分け3敗、20得点11失点。最終節まで優勝に絡む奮闘を見せたが勝ち点一歩及ばず、という数字。桜花杯も準優勝であり、当然次は優勝を、ということになるのだが気になるのは3敗の内容と相手。敗戦を喫した相手はSCM、HAN、WBLの各チームであり対戦成績も判で押したように一分け一敗と勝てていない。優勝を云々するならば、苦手チームが3つもある状況は相当よくないと考えるべきだろう。また、3敗すべてが2点差であり、先制された後に立て直せず追加点を奪われている姿が見て取れる。さらにいえば11失点のうち9失点が後半に入ってのものであり、前半45分を凌がれた場合のゲームマネージメントに問題がある、など言い出せばキリがないほど課題が山積している。
スタッツで見るとシュート・枠内シュートで二位、決定率で一位なのだがパスは下から二番目、ドリブルは下から4番目と攻撃内容は悪い部類に入るだろう。でありながらシュート数を稼ぎ出しているのはクロスの多さとパスカットの多さ。どちらもリーグトップの数字であり、中盤でボールを奪って下手に繋がず大きく前に蹴っている姿が見える。
問題は守備で、打たれているシュート、枠内シュートとも一番の少なさでありながら被枠内決定率は3割を超えており、これはEWIに次ぐ数字。ラインを高く保っているため、DFラインの裏を取られるといい体勢でシュートを打たれている、ということだろう。ただここでラインを低くしてしまうと中盤の密度が下がって高いパスカットを維持できなくなり、攻撃に支障が出ることが予想される。攻防一体、とはいうものの放置していい問題でもなく、難しいところ。パスカットは多いが被パスカットもまた多く、中盤ではボールが落ち着いていない。パス、クロスを許す度合いも二番目に高く、シュートに至る前で止めている、という状態であり、「ここ一番で止めている」と言えば聞こえはいいが、余裕がないのは問題だ。


・ポゼッションと勝敗の関係

表1・SSS支配率と勝敗

支配率

総数

51~

5

3

2

0

50

1

0

1

0

~49

8

4

1

3


ここでは相手より支配率が上回った試合を「ポゼッション」、下回った試合を「カウンター」と定義していることをまず伝えておく。ちなみに50:50のときはどちらにも属さない「イーブン」としておく。
ポゼッション傾向で見ると、14試合中8試合でポゼッションできていないというカウンターチーム。個の能力で劣ることからそれを選択した、と取れなくもないが中盤での圧力を高めてより多くのポゼッションを、というのが本来2バックの目的だったはずで、その観点から見れば2バックは失敗ということになる。ただその中でカウンターに上手く特化したとはいえるか。カウンターの中で4勝はリーグトップの数字なのだが、3敗も同時に喫しており、「カウンターに持ち込めば勝てる」というほど確立されてはいない。ポゼッションした試合では負けなしなのだが、ポゼッションを狙ってカウンターになるということはあっても、その逆は考え辛い―ポゼッションを志向するチームが多い―ゆえに、カウンター志向で行くならそこでの負けは減らさなければならない。


・補強状況

セリエAアスコリに清水、同一リーグSCMに美咲、オランダの3部に白雪をそれぞれ放出、サイドバックに定着した野咲も退団と核になる部分がことごとく抜けた。補強にはSCM星乃、WBL加藤を獲得した他は無名の新人たちで、相変わらずの育成路線。セカンドは厳しいステージになるのではないか。

(拾)
Posted by Akira Hirota - 2007.09.16,Sun
記念杯ファーストステージも終了し、各チームともセカンドステージへの準備に余念がない時期ではあるが、それゆえにこそファーストステージの課題を洗い出すという作業は必要になる。そこで今回からしばらく、当GAZETTAではチームごとにファーストステージでのスタッツや統計を参考にチームの傾向やカラーを再度見直してみることにする。なおスタッツの数値は基本的にTMFA Data Centerのものを参考にし、加えて独自の統計も使用していることをお伝えしておく。順位の下から順番に、今回はEWI。


・攻撃は問題なし、GKと中盤に課題が

7勝4分け3敗、17得点14失点。勝ち点で見ると二位SSSとは同数、優勝したSCMとも1点差。殊に3敗のうち2敗をSSSに喫しており、このうちの一つでも引き分けていれば優勝の行方はわからなくなっていただろう。ただ、メンバーの疲弊した時期に対戦したという事情もあり、特定チームに勝てなかったといってそれを相性の問題に帰するのもやや性急といえる。スタッツ的に見ると、シュート数・枠内シュート数とも最多、打ったシュートが枠内に行っている度合―あえて枠内率とでもしておく―も最多。ボールタッチ、パス、ドリブル数も3位に入るという攻撃的なチームカラーが見て取れる。クロスも4位とそこそこ放っており、パス回しだけに捉われず機に応じて長いボールも入れているということで、攻撃のパターンに偏りが少ない。セットプレー絡みが5点とやや多いのが気になるが、DFラインを崩して取った点も5点あり、得点数は2位であることを考えても、攻撃面での課題はそう多くない。
守備の方でやや気になる数字が、被枠内決定率の高さ。枠の中にシュートを打たれると37%の確率で点を取られているということであり、打たせているシュートは2番目に少ないのだが、中盤でのフィルターを潜り抜けてシュートを打たれると厳しい、という結果が見える。これに関しては野咲の身長は影響したかもしれない。かつてメキシコ代表にホルヘ・カンポスという異能のGKがいた。彼もまた身長が170足らずと小さかったが、飛び出しやジャンプ力は並外れたものを持っており、それで身長面の不利をカバーしていた。94年アメリカでのW杯でグループリーグを突破したメキシコは、決勝トーナメント一回戦で大会得点王となるストイチコフを擁するブルガリアと激突。スコアは1-1のまま動かず、延長を経てPK戦へ。ここでブルガリアの選手は全員が上方向を狙うキックを蹴り、PK3-1でメキシコは敗退したのである。やはりジャンプがいかに優れていても目測を誤ったり、コンディションがよくなく最高のジャンプができないという可能性も考えられ、ある程度の身長は必要だったのではないか。
もうひとつ気になるのが被パスカットの多さ。上位チームでパスカットより被パスカットの方が多いのはEWIだけで、自・被のシュート数を合わせて考えるとビルドアップ、あるいは敵陣に持ち込んだ段階で多くパスカットを受けているように見受けられる。中盤での競り合いでボールを保持しきれていないということであり、中盤を安定させたいところだ。


・ポゼッションと勝敗の関係

表1・EWI支配率と勝敗

支配率

総数

51~

8

5

2

1

50

2

0

1

1

~49

4

2

1

1


ここでは相手より支配率が上回った試合を「ポゼッション」、下回った試合を「カウンター」と定義していることをまず伝えておく。ちなみに50:50のときはどちらにも属さない「イーブン」としておく。
ポゼッション傾向で見ると、相手を上回るポゼッションを記録したのが14試合中8試合とHANと並んでリーグトップ。また、ポゼッションできた試合では5勝と無類の強さを誇っている。受けに回った時の心配があるが、押し込まれても2勝1分け1敗と勝ち越しており、3位に食い込んだのもこの万能型なチームのスタイルによる部分が大きいだろう。


・補強状況

WBLから西村を補強、最大の課題だったGKを強化。他にもDFにシャルロット=ポアロ、MFに難波、マクグラスを補強。シャルロット=ポアロはやや使いどころが難しいが、対空砲台としてはうってつけの人材だが、最大のポイントはマクグラスと見る。日向、綾崎とは異なり、体を張って相手を止める屈強な選手であり、ファーストステージのEWIにはいなかったタイプの選手。懸案であった中盤守備に安定をもたらすはずだ。

(拾)
Posted by Akira Hirota - 2007.09.15,Sat
記念杯ファーストステージも終了し、各チームともセカンドステージへの準備に余念がない時期ではあるが、それゆえにこそファーストステージの課題を洗い出すという作業は必要になる。そこで今回からしばらく、当GAZETTAではチームごとにファーストステージでのスタッツや統計を参考にチームの傾向やカラーを再度見直してみることにする。なおスタッツの数値は基本的にTMFA Data Centerのものを参考にし、加えて独自の統計も使用していることをお伝えしておく。順位の下から順番に、今回はHAN。


・攻守とも理想的、ただ最大のアキレス腱は選手層

5勝7分け2敗、12得点8失点。特に失点は優勝したSCMに次ぐ少なさで「ヒビナチオ」の名を欲しいままにした。前半戦では無敗ターンを決め、優勝候補の最右翼だったのだが終盤になって勝ち切れない試合が続いてしまい、4位という結果に。負け数はSCMと並んで最少であるから、負けない試合運びは出来ている。さらに上の順位を目指すとなれば引き分けをどれだけ勝ちに持ってくるかが焦点。そのためにはやはり得点力ということになる。
スタッツを見るとボールタッチ、パス、ドリブルといった攻撃に関する部門では軒並みリーグトップであり、攻撃の手段に関しては申し分ない。ただクロスの一試合平均は下から二番目と物足りない数字。それだけ長いボールに頼らず足元で確実に繋いでいる、ということの証左でもあるが、12点のうち4分の一を占める3点がサイドからのクロスを切欠とするものであり、繋ぐ攻撃から得点を挙げる、というよりはそれを見せた上でのサイドへの展開が生きているといえる。
守備に関してみるとパスカットは二位と高い数値を出し、対戦相手のパスの少なさも3番目とパスに対して強さを見せているが、対戦相手のドリブル、クロスとも4番目に多い数字で、突破してくる相手にはやや弱さがあるか。ただ問題は守り方ではなく守るメンツ。八重、藤堂、水島からなる3バックは壁としての強さを如何なく発揮し、その前で構えるのはパット、鞠川、清川。この6人の壁を突破するのは並大抵のことではなく、前半無敗ターンも頷けるメンツではある。ただ、彼女らすべてが14試合すべてにフル出場できるわけはなく、彼女らをなるべく多くの試合でより最善に近い(最善とは言わないまでも)状態で使うためのマネージメント、選手層が必要ではあろう。実際センターラインの伊集院、主人、八重といった部分は「代えが利かない」メンバーであるが、それゆえに彼女らが不在の場合を考える必要がある。バックアップメンバーとの差が大きいからこその主力ではあるが、主力を休ませなければならない試合を作ることは決して得策ではない。補強を積極的に行うチームカラーではないため、サブメンバーの底上げと奮起がさらに上位を窺うための必須条件だ。


・ポゼッションと勝敗の関係

表1・HAN支配率と勝敗

支配率

総数

51~

8

2

5

1

50

3

0

2

1

~49

3

3

0

0


ここでは相手より支配率が上回った試合を「ポゼッション」、下回った試合を「カウンター」と定義していることをまず伝えておく。ちなみに50:50のときはどちらにも属さない「イーブン」としておく。
ポゼッション傾向で見ると、相手を上回るポゼッションを記録したのが14試合中8試合とEWIと並んでリーグトップ。典型的なポゼッション志向のチームであり、ヨハン・クライフが聞けば泣いて喜びそうな状況である。ただ特筆すべきはポゼッションの高さではなく、ポゼッション出来ていない3試合で3勝を挙げていること。ゲームプランが崩れたときにも粘り強く勝ちを拾えているということで、下位に沈んだポゼッション志向のチームが押された時に勝てなかった事実と照らし合わせると、上位に顔を出した理由の一端が窺える。ただ、それゆえにポゼッションできたときの勝ち数の少なさはやはり気に掛かる。

(拾)
Posted by Akira Hirota - 2007.09.14,Fri
記念杯ファーストステージも終了し、各チームともセカンドステージへの準備に余念がない時期ではあるが、それゆえにこそファーストステージの課題を洗い出すという作業は必要になる。そこで今回からしばらく、当GAZETTAではチームごとにファーストステージでのスタッツや統計を参考にチームの傾向やカラーを再度見直してみることにする。なおスタッツの数値は基本的にTMFA Data Centerのものを参考にし、加えて独自の統計も使用していることをお伝えしておく。順位の下から順番に、今回はTLS。


・守備的なチームカラー、それに相反する戦術

4勝5分け5敗、10得点14失点、終盤戦では優勝争いにも一時的だが顔を出すなど新規参入チームとしては望外の出来だったといっていいだろう。たださらに上位を窺うには得点が少ない上に失点も多く、この位置はある意味仕方ないとも言える。得点より失点が上回っている以上、失点を減らす算段を練る必要があるのだが、問題とすべきはその失点パターン。スルーパスやライン裏への飛び出しでDFラインを崩されて喫した失点が実に9点を数えており、守備的なチームとしてはあまりに致命的と言わざるを得ない。スイーパーシステムを取ってはいるが、あまり機能していないのではないか。また一試合あたりのパスカットもワーストだが、これは引いて受ける形を取る以上は避けられないか。ドリブルを許す度合いもやや高いが、クロスを許してはいない。というよりは、対戦相手にしてみれば切り込む隙がないから放り込むわけで、数値の関係から察するに対戦相手にドリブルによる切り込みを選択させる程度のディフェンスである、ともいえるだろう。
攻撃の柱は一得点2アシスト、MF評価点一位の牧原。ボールが常に中央を経由する形であるせいか、クロスでの攻撃は8チーム中最低数。得点パターンで見てもセットプレーから4点、クロスからは2点と偏りがある。放り込みが正しい、とは言わないがオプションとしての存在は匂わせるべき。クロスに関しては上げる数も上げられる数も少なく、サイドにボールを展開して攻める、という形を志向せず中央からドリブル、あるいはショートパスで攻め上がっている。ドリブル回数に関しては8チーム中4位だが、ボールタッチに占めるドリブルの比率で見ると一位という数字はそれを裏付けている。パスカットより被パスカットの数値が高い、ということは中盤で奪ったボールを保持できていないということ。もともと低いライン設定であるため、攻め上がり切る前に奪われてDFラインが揃い切れないうちに攻撃を受けているのではないか。


・ポゼッションと勝敗の関係

表1・TLS支配率と勝敗

支配率

総数

51~

7

3

1

3

50

2

1

1

0

~49

5

0

3

2


ここでは相手より支配率が上回った試合を「ポゼッション」、下回った試合を「カウンター」と定義していることをまず伝えておく。ちなみに50:50のときはどちらにも属さない「イーブン」としておく。
ポゼッション傾向で見ると、相手を上回るポゼッションを記録したのが14試合中7試合、下回ったのが5試合。やはりポゼッションに活路を見出すチームという見方が出来る。ただそのポゼッション中でも3敗を喫しており、ポゼッションに持ち込めたから勝てる、というほどでもないのが現状。繰り返しになるがラインが低く、またクロスなどのロングボールを使わない攻撃パターンであれば、守備から攻撃に切り替わって相手陣内を進む距離がどうしても長くなり、途中で相手にボールを奪われる確率も上がり、典型的なカウンター攻撃に曝される事になる。守備的なチームカラーを貫くのであれば、ポゼッションを切って捨てる決断も必要かもしれない。

(拾)
Posted by Akira Hirota - 2007.09.13,Thu
記念杯ファーストステージも終了し、各チームともセカンドステージへの準備に余念がない時期ではあるが、それゆえにこそファーストステージの課題を洗い出すという作業は必要になる。そこで今回からしばらく、当GAZETTAではチームごとにファーストステージでのスタッツや統計を参考にチームの傾向やカラーを再度見直してみることにする。なおスタッツの数値は基本的にTMFA Data Centerのものを参考にし、加えて独自の統計も使用していることをお伝えしておく。順位の下から順番に、今回はFCH。


・センターラインにルーキー定着、だが出た「若さ」

3勝6分け5敗、9得点11失点で勝ち点差2及ばずTLSの後塵を拝する結果となったが、11失点は1試合あたりに換算すると1点以下。守備より攻撃にこそ問題の多くが内包されていると見るべきだろう。佐野倉の穴が埋まらなかったと言い切ってしまうのはあまりに簡単だが、スタッツ上から見てみるとシュートは1試合平均で10本以上を記録。またパス総数、成功数、ドリブル回数ともHANに次ぐ二位、クロスも3位とバランスよく攻撃を仕掛けている姿が伺える。ただ問題がフィニッシュの精度で、1試合での枠内シュート総数も下から3番目の数字ではあるが、シュート中に占める枠内シュートの比率で見ると最下位。打っている割には枠に行っていないのが現状であり、この精度をいかに引き上げるかという部分が最大の課題となる。FCHは今ステージで多数ルーキーを先発で起用しており、GK二階堂、守備的MF水島、攻撃的MF氷堂、FW熱姫とそれぞれのポジションで定着を見ているが、実力があるとはいえやはりルーキー。踏んだ場数の少なさが精度の低さとして現れたのだろう。
守備に関してはまず二階堂のブレイク。ステージ終わってみれば全試合フル出場でGK評価点一位ではあるが、第二節SSS戦と第三節SCMで連続して3失点。この時点で二階堂のGK評価点一位を予想できた人間がどれだけいたことか。それでも辛抱して起用したことは賞賛に値する。フィールドに目を転じると対戦チームのドリブル、パスが最も少なく、よく止めているように見えるがパスカットが極端に多いわけではなく、パスを出される前に潰す形で中盤を守っており、それを裏付けるようにファウルも多い。11ある失点のうち実に4点がセットプレー絡み(FK3、CK1)であることを考えても不要なファウルを減らすべきだろう。


・ポゼッションと勝敗の関係

表1・FCH支配率と勝敗

支配率

総数

51~

5

2

1

2

50

5

1

3

1

~49

4

0

2

2


ここでは相手より支配率が上回った試合を「ポゼッション」、下回った試合を「カウンター」と定義していることをまず伝えておく。ちなみに50:50のときはどちらにも属さない「イーブン」としておく。
ポゼッション傾向で見ると、相手を上回るポゼッションを記録したのが14試合中5試合、下回ったのが4試合。イーブンが5試合と偏らずバランスを取っていることが見て取れる。ただ勝ちはポゼッションで2試合、イーブンで1試合。ポゼッションが下回ったときには勝てておらず、バランス型ではあるが、実力が発揮できるのはやはりポゼッションしたとき、ということになる。ただ今のところは相手を押し込んでポゼッションを常に有利に運べてもいないため、ポゼッションが取れない場合の方策を準備する必要があるだろう。


補強状況

セカンドステージでは4バックを志向するようで、そのセンターに元RMS波多野を補強、ファーストでは鞠川と並んでストッパーを務めた神条を左SBに配置転換。右は加藤だがファーストでの出場は3試合、もう一人のSB登録の橘は1試合のみと質量、経験面でSBが不安。途中から3バックに戻す選択は充分にあると見る。攻撃陣はファーストでブレイクを果たした氷堂を右サイドに起用、松浦を左。FWにはファーストのチーム得点王熱姫でなくセカンドから新加入の千鳥を抜擢。佐野倉の穴が埋まっていない、という認識はある意味当然なのだが、その影を追うあまりにFWを見る目が厳しくなっているのではないか。

(拾)
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