・スタッツで見ると不思議なチームだが、攻守ともにゴール前で強さを発揮
7勝5分け2敗、17得点5失点。一桁失点はSCMとHANの2チームのみであり、「ムサナチオ」の名を世に広めた。優勝できたのは確かにその堅実な守備もあるが、ファーストステージでは8チーム中6チームが1試合の平均失点が1点以下、つまりは一点取れば勝てる状態であり、裏を返せば平均して得点を挙げ続けられたからこそ、といえる。一度首位に立ってからはその座を明け渡すことなく優勝したのだが後半戦だけを見ると2勝4分け1敗と勝ちきれない状態であり、SSSとEWIの後半の快進撃(両チームとも後半7試合で4勝2分け1敗)と相まって優勝戦線に混乱をもたらしてしまった。
スタッツから攻撃面を見ると、正直なところ得点を挙げた理由を探すのに一苦労する数字が並ぶ。パスは上から4番目だがドリブルは下から3番目。ボールタッチもクロスも下から3番目で、ボールを前線に運ぶ手段が見えづらい。ただ、特筆すべきは決定力。シュート本数こそ2桁を割っているが、枠内率でみるとEWIに次ぐ二位、決定率・枠内決定率もSSSに次ぐ二位とゴール前での勝負に強さを見せている。
守備はシュートを打たせない守備だが、同様のSSS、EWIとは被決定率で雲泥の差があり、リーグトップ。堅守をベースに少ないチャンスを確実に決めるイメージ。得点のうち6点がDFラインを揺さぶり、崩して取った点であり、安易に長いボールを前線に入れる、という方法を取らず確実に繋いで崩すスタイルだ。
・ポゼッションと勝敗の関係
表1・SCM支配率と勝敗
|
支配率 |
総数 |
勝 |
分 |
負 |
|
51~ |
5 |
3 |
1 |
1 |
|
50 |
3 |
2 |
1 |
0 |
|
~49 |
6 |
2 |
3 |
1 |
ここでは相手より支配率が上回った試合を「ポゼッション」、下回った試合を「カウンター」と定義していることをまず伝えておく。ちなみに50:50のときはどちらにも属さない「イーブン」としておく。
ポゼッション傾向で見ると、相手を上回るポゼッションを記録したのが14試合中5試合、下回ったのが6試合。傾向的にはややカウンターと見えるが、ポゼッションできた方が結果は良く、やはりポゼッションベース。ただ状況に関わらずコンスタントに勝てており、自分のスタイルに当てはめる、という戦い方でなく流動性、あるいは相手に応じる適応性が高いといえる。
・補強状況
橘の退団もあって積極的な補強に取り組んだ。WBLから獲得の日向、SSSから獲得の美咲でその穴を埋める形になると思われるが、橘の代役としては日向の方が本命か?他にも前線にWBL松浦、FCH川崎とスピード系のアタッカーを補強。チーム戦術的に使いどころがやや難しいが、オプションとして考えるとサイドアタッカーの存在は大きい。実績があるならなおさらだ。DFラインの主力にはファーストステージと大きな変化はなく、堅守は維持される模様。
(拾)
・肉を斬らせて骨を断つ、といえば聞こえはいいが
7勝4分け3敗、20得点11失点。最終節まで優勝に絡む奮闘を見せたが勝ち点一歩及ばず、という数字。桜花杯も準優勝であり、当然次は優勝を、ということになるのだが気になるのは3敗の内容と相手。敗戦を喫した相手はSCM、HAN、WBLの各チームであり対戦成績も判で押したように一分け一敗と勝てていない。優勝を云々するならば、苦手チームが3つもある状況は相当よくないと考えるべきだろう。また、3敗すべてが2点差であり、先制された後に立て直せず追加点を奪われている姿が見て取れる。さらにいえば11失点のうち9失点が後半に入ってのものであり、前半45分を凌がれた場合のゲームマネージメントに問題がある、など言い出せばキリがないほど課題が山積している。
スタッツで見るとシュート・枠内シュートで二位、決定率で一位なのだがパスは下から二番目、ドリブルは下から4番目と攻撃内容は悪い部類に入るだろう。でありながらシュート数を稼ぎ出しているのはクロスの多さとパスカットの多さ。どちらもリーグトップの数字であり、中盤でボールを奪って下手に繋がず大きく前に蹴っている姿が見える。
問題は守備で、打たれているシュート、枠内シュートとも一番の少なさでありながら被枠内決定率は3割を超えており、これはEWIに次ぐ数字。ラインを高く保っているため、DFラインの裏を取られるといい体勢でシュートを打たれている、ということだろう。ただここでラインを低くしてしまうと中盤の密度が下がって高いパスカットを維持できなくなり、攻撃に支障が出ることが予想される。攻防一体、とはいうものの放置していい問題でもなく、難しいところ。パスカットは多いが被パスカットもまた多く、中盤ではボールが落ち着いていない。パス、クロスを許す度合いも二番目に高く、シュートに至る前で止めている、という状態であり、「ここ一番で止めている」と言えば聞こえはいいが、余裕がないのは問題だ。
・ポゼッションと勝敗の関係
表1・SSS支配率と勝敗
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支配率 |
総数 |
勝 |
分 |
負 |
|
51~ |
5 |
3 |
2 |
0 |
|
50 |
1 |
0 |
1 |
0 |
|
~49 |
8 |
4 |
1 |
3 |
ここでは相手より支配率が上回った試合を「ポゼッション」、下回った試合を「カウンター」と定義していることをまず伝えておく。ちなみに50:50のときはどちらにも属さない「イーブン」としておく。
ポゼッション傾向で見ると、14試合中8試合でポゼッションできていないというカウンターチーム。個の能力で劣ることからそれを選択した、と取れなくもないが中盤での圧力を高めてより多くのポゼッションを、というのが本来2バックの目的だったはずで、その観点から見れば2バックは失敗ということになる。ただその中でカウンターに上手く特化したとはいえるか。カウンターの中で4勝はリーグトップの数字なのだが、3敗も同時に喫しており、「カウンターに持ち込めば勝てる」というほど確立されてはいない。ポゼッションした試合では負けなしなのだが、ポゼッションを狙ってカウンターになるということはあっても、その逆は考え辛い―ポゼッションを志向するチームが多い―ゆえに、カウンター志向で行くならそこでの負けは減らさなければならない。
・補強状況
セリエAアスコリに清水、同一リーグSCMに美咲、オランダの3部に白雪をそれぞれ放出、サイドバックに定着した野咲も退団と核になる部分がことごとく抜けた。補強にはSCM星乃、WBL加藤を獲得した他は無名の新人たちで、相変わらずの育成路線。セカンドは厳しいステージになるのではないか。
(拾)
・攻撃は問題なし、GKと中盤に課題が
7勝4分け3敗、17得点14失点。勝ち点で見ると二位SSSとは同数、優勝したSCMとも1点差。殊に3敗のうち2敗をSSSに喫しており、このうちの一つでも引き分けていれば優勝の行方はわからなくなっていただろう。ただ、メンバーの疲弊した時期に対戦したという事情もあり、特定チームに勝てなかったといってそれを相性の問題に帰するのもやや性急といえる。スタッツ的に見ると、シュート数・枠内シュート数とも最多、打ったシュートが枠内に行っている度合―あえて枠内率とでもしておく―も最多。ボールタッチ、パス、ドリブル数も3位に入るという攻撃的なチームカラーが見て取れる。クロスも4位とそこそこ放っており、パス回しだけに捉われず機に応じて長いボールも入れているということで、攻撃のパターンに偏りが少ない。セットプレー絡みが5点とやや多いのが気になるが、DFラインを崩して取った点も5点あり、得点数は2位であることを考えても、攻撃面での課題はそう多くない。
守備の方でやや気になる数字が、被枠内決定率の高さ。枠の中にシュートを打たれると37%の確率で点を取られているということであり、打たせているシュートは2番目に少ないのだが、中盤でのフィルターを潜り抜けてシュートを打たれると厳しい、という結果が見える。これに関しては野咲の身長は影響したかもしれない。かつてメキシコ代表にホルヘ・カンポスという異能のGKがいた。彼もまた身長が170足らずと小さかったが、飛び出しやジャンプ力は並外れたものを持っており、それで身長面の不利をカバーしていた。94年アメリカでのW杯でグループリーグを突破したメキシコは、決勝トーナメント一回戦で大会得点王となるストイチコフを擁するブルガリアと激突。スコアは1-1のまま動かず、延長を経てPK戦へ。ここでブルガリアの選手は全員が上方向を狙うキックを蹴り、PK3-1でメキシコは敗退したのである。やはりジャンプがいかに優れていても目測を誤ったり、コンディションがよくなく最高のジャンプができないという可能性も考えられ、ある程度の身長は必要だったのではないか。
もうひとつ気になるのが被パスカットの多さ。上位チームでパスカットより被パスカットの方が多いのはEWIだけで、自・被のシュート数を合わせて考えるとビルドアップ、あるいは敵陣に持ち込んだ段階で多くパスカットを受けているように見受けられる。中盤での競り合いでボールを保持しきれていないということであり、中盤を安定させたいところだ。
・ポゼッションと勝敗の関係
表1・EWI支配率と勝敗
|
支配率 |
総数 |
勝 |
分 |
負 |
|
51~ |
8 |
5 |
2 |
1 |
|
50 |
2 |
0 |
1 |
1 |
|
~49 |
4 |
2 |
1 |
1 |
ここでは相手より支配率が上回った試合を「ポゼッション」、下回った試合を「カウンター」と定義していることをまず伝えておく。ちなみに50:50のときはどちらにも属さない「イーブン」としておく。
ポゼッション傾向で見ると、相手を上回るポゼッションを記録したのが14試合中8試合とHANと並んでリーグトップ。また、ポゼッションできた試合では5勝と無類の強さを誇っている。受けに回った時の心配があるが、押し込まれても2勝1分け1敗と勝ち越しており、3位に食い込んだのもこの万能型なチームのスタイルによる部分が大きいだろう。
・補強状況
WBLから西村を補強、最大の課題だったGKを強化。他にもDFにシャルロット=ポアロ、MFに難波、マクグラスを補強。シャルロット=ポアロはやや使いどころが難しいが、対空砲台としてはうってつけの人材だが、最大のポイントはマクグラスと見る。日向、綾崎とは異なり、体を張って相手を止める屈強な選手であり、ファーストステージのEWIにはいなかったタイプの選手。懸案であった中盤守備に安定をもたらすはずだ。
(拾)
・攻守とも理想的、ただ最大のアキレス腱は選手層
5勝7分け2敗、12得点8失点。特に失点は優勝したSCMに次ぐ少なさで「ヒビナチオ」の名を欲しいままにした。前半戦では無敗ターンを決め、優勝候補の最右翼だったのだが終盤になって勝ち切れない試合が続いてしまい、4位という結果に。負け数はSCMと並んで最少であるから、負けない試合運びは出来ている。さらに上の順位を目指すとなれば引き分けをどれだけ勝ちに持ってくるかが焦点。そのためにはやはり得点力ということになる。
スタッツを見るとボールタッチ、パス、ドリブルといった攻撃に関する部門では軒並みリーグトップであり、攻撃の手段に関しては申し分ない。ただクロスの一試合平均は下から二番目と物足りない数字。それだけ長いボールに頼らず足元で確実に繋いでいる、ということの証左でもあるが、12点のうち4分の一を占める3点がサイドからのクロスを切欠とするものであり、繋ぐ攻撃から得点を挙げる、というよりはそれを見せた上でのサイドへの展開が生きているといえる。
守備に関してみるとパスカットは二位と高い数値を出し、対戦相手のパスの少なさも3番目とパスに対して強さを見せているが、対戦相手のドリブル、クロスとも4番目に多い数字で、突破してくる相手にはやや弱さがあるか。ただ問題は守り方ではなく守るメンツ。八重、藤堂、水島からなる3バックは壁としての強さを如何なく発揮し、その前で構えるのはパット、鞠川、清川。この6人の壁を突破するのは並大抵のことではなく、前半無敗ターンも頷けるメンツではある。ただ、彼女らすべてが14試合すべてにフル出場できるわけはなく、彼女らをなるべく多くの試合でより最善に近い(最善とは言わないまでも)状態で使うためのマネージメント、選手層が必要ではあろう。実際センターラインの伊集院、主人、八重といった部分は「代えが利かない」メンバーであるが、それゆえに彼女らが不在の場合を考える必要がある。バックアップメンバーとの差が大きいからこその主力ではあるが、主力を休ませなければならない試合を作ることは決して得策ではない。補強を積極的に行うチームカラーではないため、サブメンバーの底上げと奮起がさらに上位を窺うための必須条件だ。
・ポゼッションと勝敗の関係
表1・HAN支配率と勝敗
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支配率 |
総数 |
勝 |
分 |
負 |
|
51~ |
8 |
2 |
5 |
1 |
|
50 |
3 |
0 |
2 |
1 |
|
~49 |
3 |
3 |
0 |
0 |
ここでは相手より支配率が上回った試合を「ポゼッション」、下回った試合を「カウンター」と定義していることをまず伝えておく。ちなみに50:50のときはどちらにも属さない「イーブン」としておく。
ポゼッション傾向で見ると、相手を上回るポゼッションを記録したのが14試合中8試合とEWIと並んでリーグトップ。典型的なポゼッション志向のチームであり、ヨハン・クライフが聞けば泣いて喜びそうな状況である。ただ特筆すべきはポゼッションの高さではなく、ポゼッション出来ていない3試合で3勝を挙げていること。ゲームプランが崩れたときにも粘り強く勝ちを拾えているということで、下位に沈んだポゼッション志向のチームが押された時に勝てなかった事実と照らし合わせると、上位に顔を出した理由の一端が窺える。ただ、それゆえにポゼッションできたときの勝ち数の少なさはやはり気に掛かる。
(拾)
・守備的なチームカラー、それに相反する戦術
4勝5分け5敗、10得点14失点、終盤戦では優勝争いにも一時的だが顔を出すなど新規参入チームとしては望外の出来だったといっていいだろう。たださらに上位を窺うには得点が少ない上に失点も多く、この位置はある意味仕方ないとも言える。得点より失点が上回っている以上、失点を減らす算段を練る必要があるのだが、問題とすべきはその失点パターン。スルーパスやライン裏への飛び出しでDFラインを崩されて喫した失点が実に9点を数えており、守備的なチームとしてはあまりに致命的と言わざるを得ない。スイーパーシステムを取ってはいるが、あまり機能していないのではないか。また一試合あたりのパスカットもワーストだが、これは引いて受ける形を取る以上は避けられないか。ドリブルを許す度合いもやや高いが、クロスを許してはいない。というよりは、対戦相手にしてみれば切り込む隙がないから放り込むわけで、数値の関係から察するに対戦相手にドリブルによる切り込みを選択させる程度のディフェンスである、ともいえるだろう。
攻撃の柱は一得点2アシスト、MF評価点一位の牧原。ボールが常に中央を経由する形であるせいか、クロスでの攻撃は8チーム中最低数。得点パターンで見てもセットプレーから4点、クロスからは2点と偏りがある。放り込みが正しい、とは言わないがオプションとしての存在は匂わせるべき。クロスに関しては上げる数も上げられる数も少なく、サイドにボールを展開して攻める、という形を志向せず中央からドリブル、あるいはショートパスで攻め上がっている。ドリブル回数に関しては8チーム中4位だが、ボールタッチに占めるドリブルの比率で見ると一位という数字はそれを裏付けている。パスカットより被パスカットの数値が高い、ということは中盤で奪ったボールを保持できていないということ。もともと低いライン設定であるため、攻め上がり切る前に奪われてDFラインが揃い切れないうちに攻撃を受けているのではないか。
・ポゼッションと勝敗の関係
表1・TLS支配率と勝敗
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支配率 |
総数 |
勝 |
分 |
負 |
|
51~ |
7 |
3 |
1 |
3 |
|
50 |
2 |
1 |
1 |
0 |
|
~49 |
5 |
0 |
3 |
2 |
ここでは相手より支配率が上回った試合を「ポゼッション」、下回った試合を「カウンター」と定義していることをまず伝えておく。ちなみに50:50のときはどちらにも属さない「イーブン」としておく。
ポゼッション傾向で見ると、相手を上回るポゼッションを記録したのが14試合中7試合、下回ったのが5試合。やはりポゼッションに活路を見出すチームという見方が出来る。ただそのポゼッション中でも3敗を喫しており、ポゼッションに持ち込めたから勝てる、というほどでもないのが現状。繰り返しになるがラインが低く、またクロスなどのロングボールを使わない攻撃パターンであれば、守備から攻撃に切り替わって相手陣内を進む距離がどうしても長くなり、途中で相手にボールを奪われる確率も上がり、典型的なカウンター攻撃に曝される事になる。守備的なチームカラーを貫くのであれば、ポゼッションを切って捨てる決断も必要かもしれない。
(拾)
・センターラインにルーキー定着、だが出た「若さ」
3勝6分け5敗、9得点11失点で勝ち点差2及ばずTLSの後塵を拝する結果となったが、11失点は1試合あたりに換算すると1点以下。守備より攻撃にこそ問題の多くが内包されていると見るべきだろう。佐野倉の穴が埋まらなかったと言い切ってしまうのはあまりに簡単だが、スタッツ上から見てみるとシュートは1試合平均で10本以上を記録。またパス総数、成功数、ドリブル回数ともHANに次ぐ二位、クロスも3位とバランスよく攻撃を仕掛けている姿が伺える。ただ問題がフィニッシュの精度で、1試合での枠内シュート総数も下から3番目の数字ではあるが、シュート中に占める枠内シュートの比率で見ると最下位。打っている割には枠に行っていないのが現状であり、この精度をいかに引き上げるかという部分が最大の課題となる。FCHは今ステージで多数ルーキーを先発で起用しており、GK二階堂、守備的MF水島、攻撃的MF氷堂、FW熱姫とそれぞれのポジションで定着を見ているが、実力があるとはいえやはりルーキー。踏んだ場数の少なさが精度の低さとして現れたのだろう。
守備に関してはまず二階堂のブレイク。ステージ終わってみれば全試合フル出場でGK評価点一位ではあるが、第二節SSS戦と第三節SCMで連続して3失点。この時点で二階堂のGK評価点一位を予想できた人間がどれだけいたことか。それでも辛抱して起用したことは賞賛に値する。フィールドに目を転じると対戦チームのドリブル、パスが最も少なく、よく止めているように見えるがパスカットが極端に多いわけではなく、パスを出される前に潰す形で中盤を守っており、それを裏付けるようにファウルも多い。11ある失点のうち実に4点がセットプレー絡み(FK3、CK1)であることを考えても不要なファウルを減らすべきだろう。
・ポゼッションと勝敗の関係
表1・FCH支配率と勝敗
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支配率 |
総数 |
勝 |
分 |
負 |
|
51~ |
5 |
2 |
1 |
2 |
|
50 |
5 |
1 |
3 |
1 |
|
~49 |
4 |
0 |
2 |
2 |
ここでは相手より支配率が上回った試合を「ポゼッション」、下回った試合を「カウンター」と定義していることをまず伝えておく。ちなみに50:50のときはどちらにも属さない「イーブン」としておく。
ポゼッション傾向で見ると、相手を上回るポゼッションを記録したのが14試合中5試合、下回ったのが4試合。イーブンが5試合と偏らずバランスを取っていることが見て取れる。ただ勝ちはポゼッションで2試合、イーブンで1試合。ポゼッションが下回ったときには勝てておらず、バランス型ではあるが、実力が発揮できるのはやはりポゼッションしたとき、ということになる。ただ今のところは相手を押し込んでポゼッションを常に有利に運べてもいないため、ポゼッションが取れない場合の方策を準備する必要があるだろう。
・補強状況
セカンドステージでは4バックを志向するようで、そのセンターに元RMS波多野を補強、ファーストでは鞠川と並んでストッパーを務めた神条を左SBに配置転換。右は加藤だがファーストでの出場は3試合、もう一人のSB登録の橘は1試合のみと質量、経験面でSBが不安。途中から3バックに戻す選択は充分にあると見る。攻撃陣はファーストでブレイクを果たした氷堂を右サイドに起用、松浦を左。FWにはファーストのチーム得点王熱姫でなくセカンドから新加入の千鳥を抜擢。佐野倉の穴が埋まっていない、という認識はある意味当然なのだが、その影を追うあまりにFWを見る目が厳しくなっているのではないか。
(拾)
・大きかった藤崎の離脱
2勝5分け7敗、11得点20失点という数字はやはり守備の問題、というべきなのだがパスカットは上から4番目、ドリブルを許している度合いも3番目に低い。中盤を直接持ってこようとする相手は止めており、中盤での守備は機能しているといっていい。被シュートでの決定率は一位になっているが、これはオウンゴールが勘定に入っているためだろう。ただそれを差し引いても被枠内での決定率が高いのは気がかりではある。
ただそれより問題にすべきは失点パターン。サイドから、あるいは低い位置からのアーリーなどクロスを上げられたのがきっかけの失点が5点、さらにFK、CKのセットプレー絡みが5点。今ステージで主戦CBだった鞠川、神条あたりの身長が足りないということはないのだが、セットプレーの守備は改善すべき点だ。
一方攻撃面に目を転じると、シュート数は8チーム中3位。よくチャンスを作っているのだが、決定力でみると下から2番目、枠内決定率に直しても下から4番目となってしまっている。この現象を考えてみるに、得点の11点のうち3割を超える4点がサイド突破からのクロスによるもので、セットプレー絡みが4点。DFラインを崩してのものが残り3点と、得点パターンに偏りが見える。ドリブル距離を回数で割って出した「ドリブル一回あたりの平均距離」で見るとWBLは8チーム中唯一の5メートル超えで一位なのだが、得点パターンと合わせて考えると、そのドリブルは中央に直接持ち込んで切り崩すよりはサイドで仕掛けられている方が多いことが推測される。守る側にしてみれば、中央に切り込んで来ない、というパターンが読めていれば守りやすい面はあったかもしれない。ただこれも攻撃の組み立てを井上一人に依存する状況だったため致し方ない面はあり、実際井上が負傷、サスペンションで欠場した試合はチームとしてもいいパフォーマンスが出来ていない。ただ藤崎が戻れば井上に掛かる負荷も減るはずで、セカンドステージでは改善が望めるだろう。
・ポゼッションと勝敗の関係
表1・WBL支配率と勝敗
|
支配率 |
総数 |
勝 |
分 |
負 |
|
51~ |
7 |
2 |
1 |
4 |
|
50 |
2 |
0 |
2 |
0 |
|
~49 |
5 |
0 |
2 |
3 |
ここでは相手より支配率が上回った試合を「ポゼッション」、下回った試合を「カウンター」と定義していることをまず伝えておく。ちなみに50:50のときはどちらにも属さない「イーブン」としておく。
ポゼッション傾向で見ると、相手を上回るポゼッションを記録したのが14試合中7試合。ポゼッションを戦術の核とし、またそれを実現できる選手層があった事実もわかる。勝利のすべてはポゼッションで上回れた試合に限られており、ゲームプラン通りに試合を進めることが出来ればある程度の結果を出せている。ただ、ポゼッションできず押し込まれた場合に4分け3敗と勝ち切れず、ポゼッションできない場合にも踏ん張れるようになれば勝ち星は稼げるはずだ。
・補強状況
セカンドステージではチーム得点王草薙も含め元RMSの選手を多数手放してチームの一体化を図り、穴埋めに浦輪女子のメンバーを多数獲得。フィッティングに問題があるのでは…と言いたい所だがファーストステージでの得点王、アシスト王とも新加入の選手であることを考えると、一概に大化けも否定できないところ。いずれにしろ、今のところまだ未知数である新加入メンバーの出来がチームの成否を握るのは間違いない。また鞠川の再々コンバートが成功するのか、それに伴う鞠川不在のDFラインも興味深い。
(拾)
さて記念杯ファーストステージも終了し、各チームともセカンドステージへの準備に余念がない時期ではあるが、それゆえにこそファーストステージの課題を洗い出すという作業は必要になる。そこで今回からしばらく、当GAZETTAではチームごとにファーストステージでのスタッツや統計を参考にチームの傾向やカラーを再度見直してみることにする。なおスタッツの数値は基本的にTMFA Data Centerのものを参考にし、加えて独自の統計も使用していることをお伝えしておく。順位の下から順番に、まずはSKU。
・MF、GK陣は健闘、FW陣とDF陣に課題
2勝2分け10敗、8得点21失点という数字から、守備陣の建て直しが急務という結論が早々に導き出されるところだが、守備のどういった部分が問題であるのか、まずスタッツを見てみる。まず被シュート数、被枠内シュートとも一位で、打たれているシュートの多さが多くの失点を導いている事実が伺える。しかしながら被シュートに対しての決定率で見ると11%と8チーム中4位で、SCMやHANには及ばないもののシュートそのものはよく防いでいる。であれば、打たれるシュート本数を減らす方向で考えれば相当な失点減が期待できるはずだ。
そのために必要なのが中盤での守備、いわゆるフィルターをかける部分。ここで他チームに大きく遅れを取っているのは、パスカット数の低さ(下から二番目)、他にもドリブル、パス、クロスを許している度合い(ワースト一位)であることからも明らか。特にクロスに関しては、何度か取ったフォーメーションでサイドがガラ空きの陣形が多かった影響もあるかもしれない。
とはいえ、中盤でのボール奪取を担うであろう難波、早乙女、伊集院といった選手たちは攻撃での貢献も大きく、彼女らを守備に専念させるのも却って角を矯めて牛を殺すの愚になりかねず難しいところだが、彼女ら中盤選手が攻撃に貢献している事実はFW陣の物足りなさという一面をも内包しており、ポジション別でのFW3点、MF4点、DF1点という数字からもそれが知れる。
またFW陣とDF陣、特にDF陣は身長面で物足りない面子が多いのも気になるところで、身長が高いからDFとして優れているとも限らないが、長身を武器にするFWもいる現状では、対抗措置としてもある程度高さに配慮をすべきだろう。
・ポゼッションと勝敗の関係
表1・SKU支配率と勝敗
|
支配率 |
総数 |
勝 |
分 |
負 |
|
51~ |
1 |
0 |
1 |
0 |
|
50 |
2 |
0 |
1 |
1 |
|
~49 |
11 |
2 |
0 |
9 |
ここでは相手より支配率が上回った試合を「ポゼッション」、下回った試合を「カウンター」と定義していることをまず伝えておく。ちなみに50:50のときはどちらにも属さない「イーブン」としておく。
ポゼッション傾向で見ると、相手を上回るポゼッションを記録したのが14試合中1試合と8チーム中最も低く、ポゼッションよりはカウンターに特化したチーム傾向といえる。ただ、ポゼッションできていない試合では1分け10敗も記録しており、チームとして狙った上でのカウンターなのか、キープできないためカウンターになってしまっているのか、そこを明確にする必要はある。ただ勝利のすべてはカウンターの中から挙げており、劣勢での戦い方を知っている、と捉えることは出来る。劇的にポゼッションを向上させられないのであれば、カウンターの刃を磨くというのも選択肢としてはありだろう。その場合、やはりスピードのある来栖、鬼澤、川崎といったあたりの活躍が期待される。
(拾)
(8/26 14:00Kick Off 綾瀬中野スタジアム)
SKU FCH
0 - 1
前半 0-1
後半 0-0
得点者
32分 O.G(FCH)
警告
なし
WOM
該当なし
・SKUは結果如何では最下位脱出もあって大事な試合。対照的にFCHは順位の上下がない位置であり、その事実がモチベーションにどう影響するかはおおいに気になるところ。
立ち上がりからお互い淡々としていたが、ホームSKUはドリブル突破を多用、FCHはこれをファウルで止める状況が散見し、SKUはシュートこそ打てないものの主導権を渡してもいない微妙な流れ。30分を過ぎた当たりからFCHの波状攻撃がはまり、先制点もこの中から生まれる。32分、コーナーに競り合った藤堂と九段下だが、ボールは九段下の頭を跳ねてゴールイン。OGでFCHが先制に成功した。その後もしばらくFCHが攻める流れだったが追加点はなく折り返し。
後半になるとお互いの中盤守備が機能しだしたか潰し合いに終始、後半で双方合わせてシュート4本はその事実を物語っている。結局前半のリードを守りきってFCHが勝利した。
SKUは敗れ、またシュートも打てなかったものの中盤の守備やドリブル突破という部分で見ると一時期からすれば飛躍の感がある。ただそれでもシュートを打てないと得点には結びつかないので、この部分での工夫がセカンドステージでの課題となるだろう。
FCHは勝利したものの、ファウルの多さは気になるところ。相手にいいキッカーがいれば失点機会は跳ね上がってしまうだけに、注意が必要。ポゼッションを武器に凌ぎ切ったのは勢い重視からの進化なのか、それとも次の一点を取りに行く意欲が薄かったのか。判断は難しいところだ。
(拾)
(8/26 14:00Kick Off ルーテシア・パーク)
WBL TLS
2 - 0
前半 2-0
後半 0-0
得点者
6分 11 井上(WBL)
21分 9 綾崎(WBL)
警告
なし
WOM
井上(WBL)
・開始早々の先制点、後がなく一大事のチームを有利に導く流れを作った。
・一連のお家騒動で交代要員を欠き、また負傷の神戸・綾崎を強行出場と後がないWBL、ホームにTLSを迎える。WBLにとっては低迷の発端だったTLSがホーム最終戦というのも何かと因縁めいてはいるが、目先の一勝で最下位は逃れておきたいところだ。
あいにくの天気だったが、こうなるとかえって個人のスキルの高さが生きる流れであり、ホームの余勢を駆ってWBLが開始から仕掛けていく。先制点もWBLで6分。右を上がった神条からのグラウンダーを陽ノ下が受け、井上へと渡り、これを直接決めた。TLSは追い上げたいところだったが牧原が負傷で離脱、これに気落ちしたか直後にWBLの追加点が生まれる。21分、左の深いところでボールを奪った佐野倉がそのままエリア内に突進、出したスルーを綾崎がきっちり決める。この後もWBLが押し気味に試合を進め前半終了。
後半も同じような立ち上がりだったが、神戸の負傷。交代要員を用意していないWBLは10人となり暗雲が立ち込めるが、WBLは数的劣勢ながら前へ出る事を選択。これが個人能力に勝るWBLにとってはキープのためのドリブルに繫がり、TLSに付け入る隙を与えない。また数的優位のTLSはパスこそよく回るようになったものの、牧原不在もあって効果的な攻撃を繰り出せないままに時間は流れてタイムアップ。
WBLはよく走りよく繋ぎよく打ち、強いときのダイナミックでダイレクトな姿を見た。磐石の勝利を収め最下位は逃れたが、元RMS勢の立場は丸潰れ、とも言える難しい結果。セカンドステージに向けてどういったチーム作りを志向するのかが注目となる。
TLSは牧原負傷後代わりに出た沢田は個人としてのパフォーマンスは低くなかったものの、今日のような結果を見ると牧原に対する依存度が高いチームの実情が垣間見える。牧原の一連の言動に関してチーム内から不協和音が漏れている、という報道もあったが、牧原不在時のオプションは欲しいところだ。
(拾)
